電気と保安 2014年 春季号 Vol.257 東北電気保安協会
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39探査器クランプ式重畳CT写真1 本器の外観探査信号重畳器電路にふたつの異なった周波数の正弦波交流を同時に重畳し、漏電した回路に流れる双方の重畳信号が作る磁界の大きさを検出します。演算処理により地絡抵抗成分を検知するため対地静電容量の影響を低減できます。② 構成写真1のように、絶縁性の棒に取付けた探査器と、クランプ式重畳CTを利用しB種接地線から電路に信号を重畳する探査信号重畳器で構成されています。③ 地絡箇所探査のイメージ今後もお客さまに電気の安全、安心をお届けするために技術開発を進めてまいります。漏電探査信号重畳器探知器漏電したモーター澁澤賞について澁澤賞は、故澁澤元治博士が昭和30年に文化功労者として表彰を受けられた栄誉を記念するため、昭和31年に設けられたものです。本賞は、電気保安に傾注された博士の意を体して、広く電気保安に優れた業績を上げた方々に毎年贈られており、民間で唯一の電気保安関係表彰として各界より認められている権威ある賞です。(出典:一般社団法人日本電気協会ホームページ)開発のねらい市販されているこれまでの磁気センサ型地絡探査器は、B種接地線から電路に高い周波数の地絡探査用信号を重畳し、漏電した回路に流れるその信号が作る磁界の大きさを検知する方式です。しかし、対地静電容量を持つ健全回路にも同じ信号が流れるため、正確な判断が難しいという課題がありました。そこで、市販品の課題を克服し、漏電した回路を速やかに、かつ、高精度に発見することを目的に開発しました。原理と概要① 原理おわりに本器は、市販品の検出原理などを根本的に見直し開発したものであり、現場従業者の負担軽減と早期の故障復旧が期待されます。当協会は、今回ご紹介した装置をはじめ、現在までに計9回澁澤賞を受賞しています。第58回澁澤賞を受賞した「スカラー方式磁気センサ型漏電探査器」のご紹介

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