電気と保安 2014年 冬季号 Vol.256 東北電気保安協会
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6福島事業所 新國 彬高圧気中開閉器引込柱DGR外箱(車両等に接触された痕跡)DGR端子台の破損状況ある日の午前10時過ぎ、お客さまより「A会館が停電している」との連絡が入りました。現地に到着すると間もなく連絡責任者の方から「午後1時から会場を使用しなければならないが間に合いますか?」と慌てた様子で、早期の復旧を要請されました。まず「何が原因か調査します」と連絡責任者にお伝えし、点検を開始しました。すると、高圧気中開閉器が「切」となっているのが確認できました。詳しく調査したところ、高圧気中開閉器に付属している保護装置の外箱(プラスチック製)が、何らかの要因により押しつぶされて破損していました。さらには制御箱内の電子基盤まで破損している状況であり、保護装置そのものの破損が原因で停電事故に至ったと判断しました。これらの状況を協会事業所に連絡し、緊急に①交換に必要な保護装置の予備品の手配、②午後1時からの会場使用に間に合わせるため復旧作業をする人員の派遣を指示しました。30分後、かけつけた同僚の検査員3名と共に、高圧受電設備の外観点検及び絶縁抵抗測定を実施して、他に異常のないことを確認しました。保護装置の破損に関しては、外箱の損傷跡などから、車両に接触されて破損したものと思われました。また、破損した保護装置はお客さま設備ですが、協会で持っている予備品の中に同じ型式のものがありましたので、直ぐにそれを現場に届けてもらい交換しました。さらに電力会社と開閉器投入操作の連絡を取りながら、12時には停電を復旧することができました。お客さまからは、「突然の停電でびっくりしたが、保安協会に予備品があってほんとうによかった。午後は予定通り使用できる!早く復旧できて助かった。」と感謝の言葉をいただきました。今回は時間との闘いでしたが、検査員(3人)と事務職員(1人)の緊急応援で何とか間に合わせることができ、ホッとしました。また、協会事務所には、お客さま設備の万が一に備え設置数の多い電気機器は、多少の予備品を配置しておりますが、今回は丁度同じ型式のものがあったものです。なお、協会は深夜や休日更には年末年始にも24時間の組織的な対応ができる体制としています。〔状況確認と指示〕協会職員5人で2時間の闘い!―緊急時で組織力全開―〔原因の特定〕〔予備品で迅速復旧〕〔お客さまの声〕〔まとめ〕

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