電気と保安 2014年 冬季号 Vol.256 東北電気保安協会
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裔2今季号のお客さま佐藤:本日は、お忙しいところ、お時間を頂戴し、ありがとうございます。最初に、創業の経緯と、その後の沿革について教えてください。松田:当家の祖先は元々この土地の者でもなく、製麺に携わっていた者でもありません。徳川幕府の旗本で、佐渡金山に勤めていたようです。その末の後、同じ管轄の半田銀山(福島県)に転勤を命じられ、移ってきました。明治になって白石にも親戚ができたため、福島からさらに白石に移り、明治25年(1892)に家業として製粉業を始めたのが、当家の創業です。白石では江戸時代から「白石温麺」が盛んに作られていて、その業者さんに粉を作って納める仕事でした。製粉の実績を積み重ねた上で、昭和29年(1954)製麺も始株式会社松田製粉代表取締役社長松田 圭さま宮城県白石市の特産品として知られる「白しろ石いし温うー麺めん」。江戸初期に始まり今に伝わる伝統を持ち、城下町の風情にも調和して、白石を代表する郷土の味として親しまれています。その製粉・製麺には高い技術が必要とされ、現在では限られた数社が製造を継続しています。そのひとつ、製粉・製麺ひとすじに明治時代から白石温麺に関わってきた「松田製粉」は、「温麺」の由来の意味を大切に、ありがたい伝統文化の継承ととらえ、社業を続けてきました。本日は、松田製粉 松田圭社長をお訪ねし、当協会常務理事 佐藤和雄がお話をうかがいました。東北電気保安協会常務理事佐藤 和雄松田製粉さま事務所大きな水車が象徴的な松田製粉さまの工場まつえいめました。その後、会社組織になり、今日に至っています。私で4代目になります。佐藤:白石温麺を作っている会社は、何社くらいありますか。松田:昔は温麺に携わっている会社は、もっと賑わって何社もあったのですが、現在では白石と蔵王町とで8社になります。佐藤:白石温麺の由来について教えてください。松田:江戸時代初期のことです。白石城下の町人が胃を病んで床に伏していた父親のために、何か良い食ベ物はないかと探していたところ、旅の僧から油を使わない麺の製法を教わり、それを苦心の末自分で作って父にすすめたところ、やがて父は創業120年の老舗製粉業宮城県白石市 株式会社 松田製粉 さま江戸初期に始まった白石温麺

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