電気と保安 2017年 秋季号 Vol.271 東北電気保安協会
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※特定事業者:設置しているすべての工場・事業場の年間のエネルギー使用量の合計が1,500kl(原油換算)以上である事業者を「特定事業者」として指定され、エネルギー使用の合理化のためのエネルギー管理が義務づけられています。ここ数年はお土産商品の開発も手がけておられます株式会社高浜本社工場さま(主力商品)「かむかむ笹かま」※能力セーブ運転による消費電力は、空調機の圧縮機の定格に対する消費電力となります。今回ご紹介する株式会社高浜さまは、宮城県塩釜市に本社を置き、笹かまぼこをはじめ、ちくわやさつま揚げなど様々な練り物を製造しています。また、省エネ法の規制対象である特定事業者※として積極的に省エネに取組んでいます。株式会社高浜さまは、協会が提供するデマンドWeb閲覧サービスを既に導入し、警報鳴動時にエアコン(空調機)を手動停止することにより電気料金の削減に取組んでいました。しかし、手動停止は対応する方が特定され、対応が遅れた時はデマンド値が超過し、電気料金が高くなる心配があることから、デマンド監視装置の警報信号を活用した「空調機の自動制御システム」を導入することとしました。〔システム導入の検討内容〕導入の条件①温度上昇により、商品の品質低下や作業環境の悪化がないこと②初期投資が安価であること③継続して実施が可能なこと④結果の検証とフォローができること空調機の自動制御システムの内容①空調機の制御は、停止するのではなく能力セーブ運転により消費電力を50%程度まで抑えることから、工場内の環境に与える影響が少ない②デマンド監視装置はレンタルなので、初期投資が工事費のみでランニングコストも安価である③空調機は自動制御なので、手動停止に比べ煩わしさがない④東北電気保安協会が定期的に点検に訪問するため、フォローできる体制が整っているデマンド監視装置による予測値が目標値を超過すると判断した場合、警報を発報するとともに次の内容で空調機の自動制御を行います。装置導入後は、従来から実施していた手動制御に比べ最大電力が16kW削減されたことにより電気料金の基本料金が3%削減され、装置導入コストは、1年6か月程度で償却できました。また、空調制御による工場内温湿度等も問題ないことから、今後も継続して空調機の自動制御を続けることとしています。制御対象空調機の圧縮機制御内容14台の空調機を定格の50%程度に制御kW669kW導入後最大電力kW653kW改善効果kW▲16kW1仙台東事業所〔導入経緯〕〔システムの概要〕〔導入効果〕導入前最大電力空調機の自動制御システム導入による電気料金の削減~株式会社高浜さまの省エネの取組み~

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